当法人リハビリテーション部門の理念
これからのリハビリテーション専門職に求められること
これからの新たな医療・介護の枠組みである地域包括ケアシステムの時代においては、高齢者人口の増加に伴い、急性期から生活期に至る、いわゆる「患者の流れ」が一層加速していくことで、医療機関における平均在院日数の短縮も余儀なくされることが予測されます。その結果、病期毎(急性期、回復期、維持期・生活期)の機能分化はさらに促進され、それぞれのステージにおける専門性は一層強く求められることが考えられます。このような新たな医療・介護の枠組みのなかで、私たちリハビリテーション専門職においても、時代の変化に合わせた、新たな責務を果たしていかなければなりません。その中でも最も大切なことは、患者さまの退院後の姿(生活)にも今以上に目を向けて、心身機能や日常生活動作能力の向上に向けた「最大限の可能性」を、次なるリハビリテーションのステージへしっかりと継続していくことだと考えています。
私たちの新たな挑戦、そして掲げる理念
高度な専門知識や技術の習得への努力を惜しまず、高い専門性を担保としたリハビリテーション医療を目の前の患者さまに提供していくことは、私たちリハビリテーション専門職一人ひとりに求められた最も重要な責務であることに、疑いの余地は持ちません。しかし、それだけでは新たな時代のニーズに対応するための十分な条件を満たすことにはならないと考えています。
また、私たちリハビリテーション専門職が明確な理解を持っておくべきことは、医療機関において展開される患者さまの機能回復に向けた介入が、たとえ高度な知識や技術に裏付けられたものであったとしても、もしそれが入院期間中だけの視野に限局したリハビリテーション医療の展開だとするならば、それは患者さまの最終的な目的(=エンドポイント)が脇におかれた、いわゆる「手段」のみが偏重された介入であることが危惧されると言うことです。
そこで、私たちは高い専門性を担保としたリハビリテーション医療の提供とともに、回復期以降のステージまでをしっかりと見据えた、「リハビリテーションの継続性」を重視した臨床実践を行って参ります。そのために、当法人リハビリテーション部門ではすべてのリハビリテーション専門職に対し医療機関と介護施設の双方で臨床経験を積むことができる研修制度(ジョブローテーション)を設けています。その上で、多様な領域で培った豊富な臨床経験をもとに、回復期以降におけるリハビリテーションの継続性の必要性を適切かつ的確に提案し、患者さまが住み慣れた地域で「その人らしい生活(=エンドポイント)」を過ごして頂くための支援をさせて頂くことを理念として、これからも当法人リハビリテーション部門は一丸となって取り組んで参ります。