日々の暮らしに必要な「嚥下」機能のサポートと利用者さんのためのチャレンジの日々。
利用者の生活が今よりも豊かになるように言語聴覚士(ST)の視点で支援することです。 失語症などの高次脳機能障害を有している利用者に個別のリハビリもしますが、リハビリ以外の時間をいかに過ごすかを療養部の職員と考案・実践したりもします。この生活のマネジメントが生活期にある利用者にとって非常に大切だと感じています。
そして、もう一つ欠かせないのが、嚥下障害者への対応です。STは病歴・視診・聴診・触診を元に利用者のノドの能力と飲み込みの原因を追究します。安全な食事環境を提案しますが、実際にそれを継続したり、問題を早期発見するために重要になるのが多職種での協力です。研修会や症例検討会を通して他職種に嚥下の観察・評価をする視点をもってもらうように積極的に働きかけ、嚥下を啓蒙します。これは老健のSTとしての最重要課題だと考えています。
セラピストの尊重に溢れ、多職種とも連携がとりやすい多彩な活動。
協和会は法人全体としてセラピストを尊重してくれる職場だと感じています。女性のセラピストが多く、女性の管理職もたくさんいます。学歴・性別・家庭の有無などのバックグラウンドに関わらず、様々な立場の人が共に働いています。
新たな取り組みに挑戦する機会が得られ易く、今現在もチャレンジしているセラピストが多いのではないでしょうか。
また、法人内に急性期・回復期・生活期の施設が揃っている上、対外的な活動をしているセラピストが多いため、情報が豊富で、その交換も非常に貴重です。
協和会ならではだなと感じる、入職してみての仕事の楽しさは幅広い活動ができることです。利用者の生活がより豊かになるように様々な角度から支援ができます。老健ですが、歯科医師と協働で嚥下内視鏡検査を実施し、急性期・回復期リハさながらの機能訓練をすることもあれば、(今はコロナ禍で自粛していますが)脳機能賦活と余暇の充実を目指した、麻雀グループ、書道グループ、歌の会の他、失語症者のグループ活動など多彩な活動を提供します。“利用者にとって有益だな”と思ったことはチャレンジできます。上司や自部署のみならず、医師、療養部(看護師、介護職員)、事務部(事務、相談員、管理栄養士)全ての職種が非常に協力的で強力なタッグが組みやすい環境で働けます。
「ここ数か月、安心して眠れました。」ご家族からいただいた最高の誉め言葉。
嚥下内視鏡検査を当施設で実施できるようにしたいと上司に相談した際、「それ、いいね。情報まとめて。話を進めてみよう。」とすぐに背中を押してもらえました。その瞬間、私の中に一気にエネルギーが満ち溢れました。あの場面は今でも忘れられません。
そして、実際に嚥下内視鏡検査を導入した数症例目のことです。過去1年間に誤嚥性肺炎を月1回の頻度で繰り返し、急性期、回復期病院、施設を転々としておられた重度の認知症者です。嚥下内視鏡検査をもとに医師、看護師、介護職員、管理栄養士と細部まで丁寧に支援した結果、誤嚥性肺炎を起こすことなく、特養に無事に転所されました。その際に戴いた長女様からのことばです。「ここ(老健)で嚥下内視鏡検査をしてもらえるなんて思っていませんでした。以前は電話が鳴る度に肺炎の連絡かと冷や冷やしていましたが、この数か月はぐっすり眠れました。」と。その利用者を支援した全ての職員と喜びに満たされた瞬間でした。
STとして周囲に刺激を与え、また周囲から刺激を与えられる存在でありたい。
私には新人の頃から憧れているセラピストがいます。
新人の頃は、患者さまに元気と笑顔を届けられるセラピストでありたいと思っていました。そして15年余りの経験を経た現在は、STとして周囲に刺激を与え、また周囲から刺激を与えられる存在でありたいと思って働いています。そして更に15年後には…「あの人、一体何屋さん?」と不思議がられるくらい、人を癒す人間でありたいと思っています。
新人の頃から憧れていた、そのセラピストの姿を追っているのかもしれません。
上司や同僚が、後ろめたさを吹っ飛ばしてくれる文化
上司や同僚の理解と協力はピカイチだと感じています。 「うちなんか、ひと月の半分は仕事を休んでたわ(笑)。やっと治ったと思ったらまた熱!」 「セラピストの代わりはおるけど、母親の代わりはおらんで。こっちのことは何とかなるから子どものそばに居てあげて。」「もっと子どもにこうしてあげればよかった、と後悔することが無いようにしてな。」私が上司や先輩ママセラピストに頂いたことばです。子どもの体調不良、学級閉鎖などで突然のお休みは非常に気が引けるものです。しかしどのことばも、その時の私の罪悪感にも似た気持ちを軽くさせ、身と心を一心に子どもに向かわせてくれました。
そして画期的な制度 “時間有休”。保育園から「お熱が出てますので迎えに来てください」という電話。子を案ずる思いとともに湧き上がる「あともう少しで終業時間なのに。」という複雑な気持ちは幾度と経験します。その他、小学校でも家庭訪問、懇談、授業参観など超短時間の学校行事が数多くあります。しかし協和会には“時間有休”制度が設けられ、「朝の1時間だけ」、「夕方の2時間だけ」など時間単位の有休が取得できます。有休を有意義に使用できる制度で強い強い味方です!
入職希望者の方へメッセージ
仕事?家庭?それとも子育て? 答えは「仕事も家庭も子育ても!」です。
仕事をしているという自信がイキイキとした姿につながる。支えてもらって仕事をしているという感謝の気持ちが仕事に一生懸命取り組む原動力になる。相乗効果です。
そして何より、仕事を頑張った後の家族の笑顔は癒しです。家庭で溜まったうっぷん?は仕事に没頭して忘れましょう(笑)。
夫婦共働き世帯が専業主婦世帯より圧倒的多数となった今、世間は子育てする女性を後押しする流れになってはいますが、職場によってその浸透性も様々です。協和会は管理職にも子育て経験ママさんが多く、より浸透性が高い職場だと感じています。