当法人の千里中央病院では、通常のリハビリに加え、患者さまの栄養状態を考慮してリハビリを行う「リハビリテーション栄養」に力を入れて患者さまに関わっております。
リハビリの効果を最大限に発揮するためには、適切な栄養管理が必要です。例えば、75歳男性、体重50㎏の方に対して、1日3時間以上の運動(リハビリや自主トレーニング)を実施する場合、1日約2000kcalのカロリー摂取が必要になります。これは成人男性の必要カロリー量と大差ありません。また、リハビリを行っている患者さまの多くは低栄養やサルコペニアを認めることが、明らかになっています。その状態で十分に栄養管理を行わずにリハビリを行うと、さらに低栄養が進行してしまう、といった悪循環が起こります。
専門知識(資格:リハビリテーション栄養指導士)を有したスタッフが在中しており、定期的にリハビリ栄養カンファレンスを開催しております。
栄養評価シートを用いて、低栄養やサルコペニアの患者さまを抽出し、患者さまの状態に合わせてリハビリの内容や負荷量の設定、食事形態の変更や栄養補助食品(プロテインのようなもの)の提供を検討し、栄養状態と身体機能の改善を図っています。
また、患者さまのリハビリ内容や生活スタイルから活動量を算出し、栄養科や医師と協力して必要なカロリー量を算出しています。
【リハビリ栄養カンファレンスの様子】
【リハビリテーション栄養指導士 取得】
※リハビリテーション栄養指導士:日本リハビリテーション栄養学会が運営する、2019年から開始された制度です。リハビリテーション栄養について一定の知識を有し、臨床で実践を重ね、リハ栄養に関する研究を行っていることが認められました。